住民の健康づくり事業を「単発」で終わらせないために、自治体ができること
ラグスタ株式会社
はじめに
「健康イベントを開くと、毎回同じ顔ぶれが集まる」「事業報告では参加者数は書けるが、住民の健康がどう変わったかは示せない」「担当者が異動すると、事業の中身がリセットされてしまう」。
自治体の健康づくりのご担当者から、こうした声をよく伺います。どの自治体も、住民の健康を本気で考えているからこその悩みです。
ラグスタは2018年から滋賀県の「健康しが」事業の運営に携わり、公共の体育施設でも地域の健康づくりをお手伝いしてきました。この記事では、その現場経験をもとに、健康づくり事業を「単発」で終わらせず、毎年積み上がる事業にするための考え方をご紹介します。
なぜ「単発」で終わってしまうのか
事業が続かない理由は、担当者の努力不足ではありません。多くの場合、事業の「組み立て方」に原因があります。
1. 年度ごとに事業が区切られている 予算も委託も1年単位のため、「今年のイベントをやり切る」ことが目標になりがちです。翌年に何を引き継ぐかまでは、設計されていないことが少なくありません。
2. 届いているのが、もともと健康意識の高い人だけ イベントに足を運ぶのは、すでに運動に関心のある方が中心です。本当に届けたい「運動から離れている人」や「働き盛り世代」には、なかなか届きません。
3. 効果を測る仕組みがない 参加者数は分かっても、参加した人の体や生活がどう変わったかは記録されていない。成果を示せないと、翌年の予算説明も難しくなります。
4. 事業と施設がばらばらに動いている 健康づくりの事業と、体育館などの公共施設の運営が別々に動いていると、イベントの後に「続けて通える場所」が用意されません。
「続く事業」にするための4つの視点
1. イベントを「入口」として設計する
イベントそのものをゴールにせず、「その後に続けてもらうための入口」と位置づけます。会場で体力測定を行い、結果と一緒に地域の運動教室や施設の案内を手渡す。それだけで、イベントの後の行動が変わります。
2. 届けたい人のいる場所に出向く
運動から離れている人に来てもらうのは簡単ではありません。スポーツの試合会場、地元企業、商業施設など、人が自然に集まる場所に健康づくりの機会を持ち込むと、普段は参加しない層にも届きます。
3. 測って、比べて、見せる
参加者の体力測定やアンケートを、同じ方法で毎年続けます。前年と比べられるデータがあると、事業の成果を住民にも議会にも説明しやすくなります。
4. 地域の企業と施設を巻き込む
自治体だけで住民全員に届けるのは限界があります。地元企業の健康経営や、公共施設の運営と組み合わせることで、事業が地域の中で回り始めます。
来年度の予算を考える今、決めておきたい3つのこと
秋から冬は、多くの自治体で来年度の事業を検討する時期です。この段階で次の3つを決めておくと、事業が「続く形」で動き出します。
3年後の姿:単年度の目標だけでなく、「3年後に住民のどんな変化を目指すか」を言葉にしておく
測る指標:参加者数に加えて、体力測定の結果や運動習慣の有無など、毎年同じ方法で測る指標を決める
委託先に求める役割:イベントの運営だけを任せるのか、企画や効果測定、翌年への提案まで含めるのかを仕様に書き込む
特に3つ目は大切です。委託の範囲が「当日の運営」だけになっていると、どれだけ良いイベントでも翌年に知見が残りません。
ラグスタの取り組み
ラグスタは、自治体や公共施設とともに、地域の健康づくりを続けてきました。
滋賀県「健康しが」事業の運営(2018年〜):行政・企業・地域をつなぎ、住民が体を動かすきっかけづくりに取り組んでいます。
公共体育施設での運営と健康プログラム:県立体育施設をはじめとする公共施設で、施設の運営と健康プログラムの両面から地域を支えています。
子どもから高齢者までの測定・指導:部活動の地域移行に伴う体力測定の設計や、高齢者の転倒予防の測定・講演など、世代に合わせた取り組みも行っています。
企画から当日の運営、効果測定、翌年への提案まで、一つの事業としてお手伝いできるのがラグスタの強みです。
まとめ
住民の健康づくりは、1年で結果が出るものではありません。だからこそ、イベントを入口として設計し、届けたい人のいる場所に出向き、毎年同じ方法で測り、地域の企業や施設と一緒に回していくことが大切です。
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